史織を演じるのは、映画『ミッドナイトスワン』で演技未経験ながら日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いた服部樹咲。天性の存在感と磨き上げたキャリアで長編初主演作に挑む。史織の姉・布美には、 妹を応援したい気持ちと心配に板挟みになる心情を繊細に演じる岡崎紗絵。営む機織工場の閉鎖の危機に揺れながら娘たちを見守る父・康孝に吉田栄作。そのほか、長澤樹、黒川想矢、知花くらら、 清水美砂ら個性豊かなキャスト陣が出演。監督は『向こうの家』が、ええじゃないかとよはし映画祭初代グランプリを受賞し注目を集めた西川達郎。音楽は坂本龍一に認められた小山絵里奈。ファッション業界から装苑賞を2022年に受賞した大下彩楓が参加。
異なる個性と才能が幾重にも紡がれ、まさに尾州で織り上げられる上質のウールのように、観る者を暖かく優しく包み込む感動の物語！
グランプリは、賞金３００万！デザインの商品化！２週間のパリ研修！〈参加条件〉デザインは自分たちで描くこと、服のイメージに合ったモデルを自分たちで用意すること。
高校生の史織は、毎朝7時、目覚まし時計代わりの軽快な機織りの音で起きる。明るく誰に対しても優しい性格だが、配膳の配置や歩き出しの足など生活習慣へのこだわりが強く苦手なことも多い。ある日、史織が描いた服のデザインを、親友の真理子が校内のファッションコンクールにエントリーする。さらに、真理子の提案で一宮市のファッションショーにも出品することに…真理子の協力のもと史織の服作りが始まった。それを知った姉の布美は、挫折した経験を史織に重ね、応援したい気持ちと背中を押せない気持ちの板挟みになり、父の康孝は史織が傷つくことを恐れ猛反対するのだった。だが、史織自身は服作りへの挑戦を通して様々な人々と関わったことで、次第にある想いが強くなっていく…。
西川達郎監督・脚本
福岡県出身。東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域卒。修了制作品の映画『向こうの家』(19)が、ええじゃないかとよはし映画祭初代グランプリを受賞した他、うえだ城下町映画祭実行委員会特別賞、はままつ映画祭観客賞など多数の映画祭に選出され、渋谷シアター・イメージフォーラム、イオンシネマむさしむらやま、イオンシネマ港北ニュータウン他にて全国劇場公開される。また、2021年、「ゲキカラドウ」でTVドラマ監督デビュー。続いて「ひねくれ女のボッチ飯」(21)でメイン監督を務める。その他に「treatment／あの日ボウリング場から出られなくなったこと」(23)、「万城目ユリコは優しくなりたい」(22)で脚本と全話の監督を務める。
鈴木史子脚本
神奈川県出身。東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域卒。2020年、「片恋グルメ日記」、『感謝離 ずっと一緒に』で脚本デビュー。その後、「それでも愛を誓いますか？」(21)、「片恋グルメ日記2」(22)、「鉄オタ道子、２万キロ」(22)、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(22～23)、「あなたは私におとされたい」(23)、『愛に乱暴』(24)などの脚本を担当する。
小山絵里奈音楽
生まれて初めて作った曲「Dance withTarantula」が坂本龍一の耳にとまり、その場でプロになる事を勧められる。2007年、坂本龍一エグゼクティブ・プロデュースミニアルバム「INLY」と、マスタリングエンジニアに Ted Jensen、MIXエンジニアに坂本龍一、ZAK、竹村ノブカズらを起用したアルバム「VIVIDROP」を発表。音楽を手掛けたドラマ・映画は、「Q10(キュート)」(10)、『“隠れビッチ”やってました。』(19)、『10 万分の 1』(20)、「B面女子」(20)、「きよしこ」(21)、「いないかもしれない」(21)、『朝をさがして』(23)など。
池内ヨシカツ主題歌プロデュース
作曲家である叔父の影響で幼少期から音楽作りを始める。2013年、ロサンゼルス在住時に参加した音楽大会の優勝をきっかけに、海外のレーベルからデビューを果たす。『怒り』(16)の劇中歌、『京都カマロ探偵』(22)の音楽をはじめ、ソフトバンクのTVCMソングなど数多くの作曲を担当。これまで多数のinstrumental曲をリリース。2023年にはチャージスポットとタイアップを行い、Da-iCE、Novelbright、CHEMISTRYのボーカリスト達とコラボ曲をリリース。MBSラジオで自身の番組パーソナリティを務める他、地元である京都の観光大使など幅広く活動を続けている。
森谷雄プロデューサー
愛知県出身。映画・ドラマの企画プロデュース会社、株式会社アットムービー代表。製作を手掛けた『ミッドナイトスワン』(20)が、第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞他9部門を受賞。その他の代表作に、「天体観測」(02)、「33分探偵」(08)、 『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(08)、「深夜食堂」(09)、「ザ・クイズショウ」 (09)、『しあわせのパン』(12)、『曇天に笑う』(18)、『最初の晩餐』(19)、『Dr.コトー診療所』(22)、「東京ラブストーリー」(20)などがある。
竹田太郎プロデューサー
愛知県出身。25 年間の東海テレビ勤務を経て 2016 年に独立、株式会社フォワード代表。プロデューサーとして映画、TV 番組、イベントの制作を手掛ける。主な作品に、『クハナ!』(16)、『復讐したい』(16)、『BOYS AND MEN〜One For All, All For One〜』 (16)、『キスできる餃子』(18)、『祭りの後は祭りの前』(20)、『お終活 熟春! 人生、百年 時代の過ごし方』(21)、『ブルーヘブンを君に』(21)、『お終活 再春!人生ラプソディ』 (24)などがある。
大下彩楓衣裳デザイナー / 監修
2002年生まれ、岐阜県出身。2020年、国際ファッション専門職大学国際ファッション学部名古屋ファッションクリエイション・ビジネス学科入学。在学中の 2022年、目には見えない音の動きを形にして音が戯れる様子を「音戯(おとぎ)」と名付けたコレクションで、新人デザイナーの登竜門である「第96回装苑賞」のグランプリを受賞。審査員を務めたコシノジュンコ氏から「爽やかで、軽やかで、動きがあって美しい作品」と評価される。卒業後はファッションデザイナーとして活動、2023年11月に開催された、TGCプロデュースのサステナブルなファッションの祭典『BISHU COLLECTION produced by TGC』に4ルックのデザイン・制作で参加する。
尾州とは?
「尾州地域」と呼ばれているのは、愛知県一宮市を中心に、津島市、稲沢市、江南市、岐 阜県羽島市など、愛知県尾張西部エリアから岐阜県西濃エリア。この一帯が毛織物(ウー ル)の産地として栄えたのには様々な理由があるが、「尾州」を流れる木曽川がもたらす、 肥沃な土地、豊かな水などの自然の恵みと、川を介した人々の交流によるものが大きいと 考えられる。古くから日本最大の毛織物産地として知られ、その規模は国内生産量の約 60%と言われている。 「尾州」でつくられた織物の特徴は、その品質の高さにあり、軽さ・やわらかさ・なめら かさ·柄の豊富さ・丈夫さなど、触るだけで違いが分かる。そのため、国内外の数多くの ハイブランドに生地として採用されている。
シントウカイシネマ聖地化計画
東海地方を舞台にした全国公開映画を制作・公開していく「シントウカイシネマ聖地化計画」。東海地方からロケ地を選定し、地元での俳優・女優オーディション、映画祭などを開催して東海エリアを「シネマの聖地」とする計画。本作が第一弾作品となる。
